不定期刊行物 Sinfonica研究叢書No.25
新たな個人消費を創造する
新世帯類型別世帯数・世帯人員
1980年・1990年・2000年・2010年国勢調査抽出詳細集計用マイクロデータ分析結果
「新世帯類型」とは、世帯人員が2人以上いる世帯のほとんどが該当する親族世帯(注:世帯主とその親族から成る世帯)を、「世帯主夫婦(または配偶者のいない世帯主)」とその他の直系親族世帯員との関係に基づいて分類したもので、「世帯の家族構成」が分かる世帯分類である。(注:国勢調査で集計・公表している「家族類型」は、親族世帯を「最も若い世代の夫婦」とその他の親族世帯員との関係に基づいて分類したものである。)
本研究の目的は、個人消費の拡大に寄与し得る新しい統計情報を開発することである。政府の重要施策のひとつである個人消費の拡大という命題に対し、「統計は何ができるか」を考えた結果、世帯分類に新たな利用の視点を見出した。即ち、個人の消費には自分のためだけの消費のほかに、家族のため、あるいは家族と一緒に行うための消費もあり、「個人が属する世帯の家族構成」も個人の消費に少なからず影響を及ぼしている。ならば、「世帯の家族構成別の世帯数や世帯人員」を提供することで、個人消費のための商品・サービスのより良い品揃えのための情報になるではないかと考え、個人消費との関連性が計れる世帯分類を開発することである。
開発した新しい世帯分類が「新世帯類型」である。「新世帯類型別一般世帯数・世帯人員」という新しい統計情報を手掛かりとして、サプライサイドが創意・工夫を凝らし、消費者の潜在需要を掘り起こす商品やサービスを企画・開発して、個人消費が拡大されることを願っている。
折しも、2020年にオリンピックが日本で開催されることになった。政府は、これを日本経済再活性の絶好の機会と捉え、国、地方公共団体、民間に対し、そのためのアイデアと実践を求めている。個人消費という観点から世帯分類を考えるというユニークな発想から始めたこの研究の成果である新世帯類型は、その要請に応えるものである。
また、新世帯類型は、従来の家族類型に比べ、より鮮明に世帯の現状を映し出しており、世帯分析にも有効である。本書には、全国及び都道府県別の新世帯類型別一般世帯数及び世帯人員を掲載しているので、ご活用いただきたい。
- 表1 新世帯類型別一般世帯数-全国(1980年・1990年・2000年・2010年)(PDFファイル:84KB)
- 表2 5世代世帯の小分類別一般世帯数-全国(1980年・1990年・2000年・2010年)(PDFファイル:73KB)
- 【正誤表】(PDF:106KB)
本叢書掲載表の一部に脚注漏れがございました。ここに訂正しお詫び申し上げます。
編集: | (公財)統計情報研究開発センター |
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規格: | B5判、222ページ |
発行: | 平成28年3月30日 |
価格: | 2,200円(税込) |
もくじ
結果の概要
- 第1部 新世帯類型別世帯数の時系列分析結果(1980年・1990年・2000年・2010年)
この分類を用いて集計した1980年(昭和55年)の世帯数と2010年(平成22年)の世帯数を比べてみると、この30年の間に世帯の構造別分布にダイナミックな変化が起こっていたことが分かった。
- (1)世帯数が大幅に増加した1世代世帯と単独世帯2
- (2)進む世帯の高齢化とその要因3
- (3)変わる核家族世帯の構造別分布とその変化の要因7
- (4)単独世帯が大幅に増加した要因14
- (5)急増した非親族世帯の中身21
- 第2部 新世帯類型分類と他の項目とのクロス集計の分析結果(2010年)
研究チームは、新世帯類型分類を付した2010年国勢調査抽出詳細集計用マイクロデータを用いて種々多様な世帯統計を集計し、この報告書に収録した。
以下は、個人消費のための製造・販売の企画戦略立案、あるいは乳幼児の保育施策、高齢者施策、防犯施策等の立案に必要な基礎資料として、それぞれ有用と思われる集計結果の一例である。- (6)乳幼児の数と両親の就業状態23
- (7)児童帰宅時両親不在世帯数24
- (8)高齢者の居住形態25
- (9)夫婦の数26
- (10)母親の経済力28
- (11)昼間家にいる女性の年齢構成(18歳以上)29
- (12)昼間家にいる男性の年齢構成(18歳以上)31
- (13)同居世代数と持ち家率33
- (14)核家族世帯における持ち家の取得時期34
- (15)高齢単独世帯の住まい37
- (16)傍系親族と住宅需要38
統計表
- I 新世帯類型別世帯数の時系列集計(1980年・1990年・2000年・2010年)
- 時系列表1 新世帯類型別一般世帯数及び世帯主の平均年齢42
- ほか、上記第1部の分析に必要な全7表
- II 新世帯類型分類と他の項目とのクロス集計(2010年)
- 第1表 新世帯類型別一般世帯数-全国・都道府県66
- 第2表 新世帯類型別一般世帯人員-全国・都道府県78
- ・・・略・・・
- 第29表 家族類型、新世帯類型別、一般世帯数-全国200
- III 新世帯類型分類の解説209